平成27年第2回定例会:一般質問
堀直人
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ただいま、議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従い質問させていただきます。
はじめに、4月の江別市議会議員選挙におきまして、多くのみなさまのご支援をいただき、初当選させていただきましたこと深く感謝を申し上げたいと思います。人口減少環境における持続可能なまちづくりに取り組み、自信を持って次の世代に引き継げる江別をつくるために、三好市長、先輩議員のみなさま、江別市職員のみなさま、そして市民のみなさまとともに努力を重ねていきたいと思っております。わたくし34歳という若輩者であり、また新人ゆえ不慣れな点、至らぬ点があるかと思いますが、みなさまのご指導をいただきながら議員活動をがんばっていこうと思っておりますので、何卒よろしくお願いいたします。
それでは、質問に移らせていただきます。今回の質問では、江別市のシティプロモートについて、江別市のブランド戦略について、地域おこし協力隊制度の活用について、この3つについてお聞きしていきたいと思います。
まず1点目、江別市のシティプロモートについてです。「人口減少時代は地域間競争時代」と言われる昨今において、やはり自治体においても、この競争環境を生き抜く戦略が必要になってきており、民間ノウハウを活用しながらの戦略的なプロモーションやセールス活動の重要度も増してきていると考えます。わたくしは今まで広告や出版の仕事に携わりながら、情報発信や価値創出に取り組んで参りました。その観点から、シティプロモートを通してよりよい江別にしていきたいという想いのもと質問をさせていただきます。
『えべつ未来戦略』の「戦略4:えべつの魅力発信シティプロモート」に記されているように、この戦略の目的は「定住人口や交流人口を増加させるため」ということになるものと理解しております。また、めざす姿という目標についても二項目が挙げられており、そのなかの「効率的・効果的な情報収集・発信が行われ、市民との情報共有が図られ」るという点に関しましては、江別市の広報で募集されていた「市民ブロガー」やSNSによる発信などにより、めざす姿に向けた取組が着々と踏み出されているように感じられます。またこれらの活動は、情報拡散の効果もさることながら、情報発信を通して市民の愛着が深まっていきうるものです。こうした愛着をさらに深め広げ、まちのことを「自分たちごと」にしていくということは、協働のまちづくりを進めるうえで欠かせないプロセスでありますし、ひいては社会環境の変化によって起こる地域課題を創造性を持って主体的に解決していくための力になりえます。こういった芽が生まれていることに、わたしは江別市のシティプロモートついて、強く可能性を感じているものです。そのため今回の質問は、めざす姿のもうひとつとして挙げられている「道内・道外における江別市の認知度が向上」という点について行っていきたいと思います。
この質問に関しての目的は、「江別市におけるシティプロモート戦略がどう整理なされているのか」ということの確認になるのですが、戦略というのは、力をどうやって制御しどう最適に運用していくかということになりますから、保有している資源の向かう方向と勢いがしっかり定められていなければなりません。そのため最初に重要になってくるのが、具体的なターゲットです。ターゲットが明確でなければ、資源をどこに傾けてよいのかあいまいになり、効率的・効果的な実施にならないと言えます。
よってまず、江別市のシティプロモートにおける具体的なターゲット設定を、世代・居住・趣向・ライフスタイルなどの観点からお答えいただきたいと思います。その際に目的になっている「定住人口の増加」と「交流人口の増加」では手法も変わって来ることになりますから、もし優先順位があるならそのことを、ないのであれば目的別にターゲット設定をお答えいただければと思います。
ターゲットの次は、ニーズについてです。同じく「えべつの魅力発信シティプロモート」のなかで、戦略実現に向けてのプロジェクトとして「ニーズにあわせた効果的な情報発信」が挙げられております。ニーズというのはターゲットの要求や需要ということになりますが、「どこの誰がどういう欲求を持っているのか」ということについて詳しく、わかりやすく、それぞれ設定したターゲットが持っているニーズについてお答えいただきたいと思います。
ニーズの次は、実施場所についてです。伝統的なマーケティング用語で「4つのP」というものがありますが、そのなかの一つにPlaceという項目があります。何を、いくらで、どうやって売るのかというのも大事ですが、同時にどこで売るのかというのも大事であるということが示されていることになります。その観点から、設定したターゲットが最も密集した場所で、江別市がニーズを満たすことができることについて最適にPRができているか否か、その見解についてお答えいただきたいと思います。PRをする場所が、生活空間なのか、WEB上なのか、メディアなのか、それぞれ設定されたニーズごとに進捗状況も含めてお答えいただきたいと思います。
実施場所の次は、マーケティングについてです。厳しい時代環境のなかにおいて、自治体においても経営戦略が要請されていると思いますが、保有している資源からだけではなく、こうした激しく変化している実施環境の側面から施策立案していくことが求められることも多くなるかと感じられます。そういった危機感から、わたしは戦略的地域経営に必要となる自治体マーケティングの推進が重要に思っています。シティプロモートを進めるうえでも、こうしたマーケティング手法は必要になると思いますが、お考えについてお答えいただきたいと思います。
この項目の最後は、江別シティプロモート推進協議会のメンバーについてです。現在参加している江別市内のさまざまな経験を持たれている方々のなかに、プロモーション手法に長けた広告技術者などの専門家が入ることで、より充実した協議が行われることになると思いますが、今後の方針も踏まえ、お考えについてお答えいただきたいと思います。江別市のシティプロモートについては、以上です。
次に2点目、江別市のブランド戦略についてです。情報化社会と言われて久しいですが、スマートフォンの登場やSNSの隆盛などによりますます社会には情報が溢れ、その勢いが衰える気配はないようです。そういった環境のなか届けたい相手に情報を伝えるため重要になってくるのが、ブランドの有無です。良質なブランド構築がなされていれば、発信した情報は注目を持って受け入れられますし、ブランドの認知が進んでいれば、発信した情報に短時間で気づいてもらえます。逆にブランドが構築がなされていなければ、情報の渦のなかに埋もれてしまい、届いたとしても一瞬で捨てられてしまうと言えます。わたくしは今まで編集やデザインという技術から、イメージ形成やブランド構築に取り組んで参りました。その観点から、江別の未来をつくるブランド戦略について質問をさせていただきます。
まず最初は、ブランドに関する江別市の考えについてです。「戦略プロジェクト:ニーズにあわせた効果的な情報発信」の「推進プログラム4:江別市のイメージづくり」を推進するうえで、どのようなブランド戦略を考えているのかお伺いしたいと思います。積極的にPRを行うに際し好印象を伝えなければ、マイナスプロモーションになってしまいかねません。よって認知拡大、イメージ向上双方の観点からブランドの重要性についてのお考えをお答えいただきたいと思います。
ブランドの重要性の次は、江別市の売りについてです。「江別市のイメージづくり」の内容・特徴には「多様なメディアを利活用して、市内外に江別市の魅力や優位性を積極的にPRし、認知度を向上させます」と書かれておりますが、「魅力」「優位性」はそれぞれ、どのように考えておられるのでしょうか。江別市のブランドコンセプトおよびそのコンセプトの打ち出し方についてお答えいただきたいと思います。
ブランドコンセプトの次は、クリエイティブ手法についてです。企業などでは組織の特徴や個性を明確にし、共通イメージを認識するよう働きかけるため、ロゴ、カラー、スローガン、コンセプトメッセージなどからなるコーポレート・アイデンティティ(CI)を策定します。また、香川県の「うどん県」や、島根県海士町の「ないものはない」などのようにキャッチコピーを作成する自治体や、千葉県流山市では共働きの子育て世代にターゲットを絞り、家族の写真を用い「母になるなら、流山市。」というポスターを都内の主要駅に出稿することで30代人口を急増させるなど、自治体においてもこういったクリエイティブ手法によるプロモーションおよびブランド構築が行われております。そうしたなか江別市においては、テーマカラーやキャッチコピー等を活用した良質なイメージ喚起のための施策について、どのようにお考えかお答えいただきたいと思います。
この項目の最後は、地域課題解決と地域ブランド形成およびシティプロモートとの相関関係についてです。「葉っぱビジネス」で有名な徳島県上勝町は、地域活性化の成功事例としてよく報道などで見かけますが、その葉っぱビジネスがはじまったのは、1986年だったそうです。それからひたすら地域課題解決に取り組んだ結果、今では自分たちで発信しなくともメディアなどを通して、情報発信がなされるという状態になっております。北海道の東川町もそうです。「写真甲子園」の第1回大会が1994年。このことを契機に写真によるまちづくりが促進され、景観保全が進み、やがて東川に憧れて移住する人が現れはじめました。つまり何が言いたいのかといいますと、地域の課題を解決することにより、地域のブランドが形成されていき、そのブランドに惹きつけられた他者が情報発信をしていただけるという状況をつくることこそが、本当のシティプロモートであるのではないかということです。地域課題解決とシティプロモートを一体的に行えば、一石二鳥でありかつ相乗効果が望めます。江別市においても、さまざま地域課題がありますので、その解決をシティプロモートに活かすという戦略的な地域課題への取り組みを期待します。上勝町は約30年、東川町は約20年、そうなるまでに掛かっております。よって、この取り組みを行うには、20年後、30年後を見据えたビジョンが必要になります。こういった複合思考と長期的視野こそが、未来ビジョンであり、未来戦略ではないかと思うのです。ゴールとなる未来から逆算をし、現在に必要な施策を考えなければ、本当に正しい施策が実施できるのでしょうか。20年後、30年後を見据えた江別市のあり方を構想したうえで、今やるべき地域課題の解決を持って、長期的展望から江別市のイメージづくり、シティプロモートを行っていく必要性について、どのようにお考えかお答えいただきたいと思います。江別市のブランド戦略については、以上です。
最後に3点目、地域おこし協力隊制度の活用についてです。地域を創造するには「わか者・ばか者・よそ者」が欠かせないというのは、以前からよく言われていることかと思います。江別には4つの大学・2つの短大があり「わか者」がいます。チャレンジしてみようと思う「ばか者」がいることも知っています。では「よそ者」はどうかということで、そのよそ者を集める仕組みとして「地域おこし協力隊」制度の活用を提案したいと思います。地域おこし協力隊とは、人口減少や高齢化等の進行が著しい地方において、地域外の人材を積極的に受け入れ、地域協力活動を行ってもらい、その定住・定着を図ることで、意欲ある住民のニーズに応えながら、地域力の維持・強化を図っていくことを目的とした制度です。総務省によって制度化され、地域おこし協力隊員の募集等に要する経費を1団体あたり200万円を上限に特別交付税により財政支援。また、地域おこし協力隊員の活動に要する経費を隊員1人あたり400万円を上限に特別交付税により財政支援されます。こういった国による優遇的な制度ですから、これを活用していないというのは正直もったいないという印象です。そのため道内でも平成26年の特別交付税ベース時点で225人が地域おこし協力隊として活動しており、75自治体が導入しております。江別市における地域要件としては「3大都市圏外都市地域」ということになるのですが、同条件の都市としては帯広市、滝川市、登別市などで導入されております。総務省では、平成28年度までに隊員数3,000人を目標にしており、ますます競争が激しくなってくることが予想され、このままでは江別市が地域おこしに遅れをとってしまうという危機感が感じさせられます。繰り返しになりますが、人口減少時代に突入し、江別市において解決しなければならない地域課題がますます多くなってくることになります。その環境下で、この地域おこし協力隊制度は地域課題解決を助ける一つになる有効な施策ではないかと思いますが、どのようにお考えかお答えいただきたいと思います。
制度への見解の次は、地域活性化の観点からについてです。まず移住促進ですが、前述のとおり定住・定着を目指した制度でありますから、隊員が移住し活動を行い、任期後も平成25年6月末時点で約6割の隊員が定着しているという調査になっております。また、移住促進自体を隊員の任務としている自治体もあり、成果を上げている事例も多くあります。産業振興という点では、商品開発がテーマになっている例も多く、よそ者ならではの新鮮な発想で地元の人間には気づかない価値を創出しております。さらに平成26年度から隊員が起業する際には、1人あたり100万円を上限に特別交付税措置が行われることになり、地域への定着がさらにしやすくなっていると言えます。また起業後もバックアップしながら事業を成長させることで、江別市の雇用創出にもつなげることができます。シティプロモートという点でも、地域のPRに特化して取り組む地域おこし協力隊の事例もありますし、総務省やJOIN(一般社団法人移住・交流推進機構)などプラットフォームや、全国地域おこし協力隊ネットワークなどの協力隊員同士つながり自体が地域をPRする機能を持っており、近年では雑誌などで取り上げられることも多く、地域をよくしたい、社会に貢献したいと思う若者にとっては、地域おこし協力隊自体がブランドになっております。そういった移住促進、産業振興、シティプロモート、ブランド戦略という観点から、地域おこし協力隊制度に対するお考えをお答えいただきたいと思います。
地域活性化という観点からの次は、協働のまちづくりという観点からについてです。協働を進める上では、多様な主体との連携が必要になってくると思います。大学連携、企業連携、住民連携、地区間連携、またそれら包括した総合的な連携、江別には多くの連携による可能性がありますが、中間的な立場から横軸で連携をコーディネートする人材が豊富にいなければ、なかなか推進されていかないのではないかと感じられます。そういったなか、地域外から移住したしがらみのない地域おこし協力隊が果たせる力が多くあり、地域連携を活発化させる仕組みの一つになりうるものではないでしょうか。その地域連携の担い手という観点から、地域おこし協力隊制度に対するお考えをお答えいただきたいと思います。
この項目の最後は、持続可能なまちづくりという観点からについてです。人口が増えていく社会環境から、人口が減っていく社会環境に変わり、この江別市においてもこの環境の変化に伴い、捉え方を変え新しい発想で取り組んでいかなければならない領域が多くなってきます。そういった環境下を鑑み、地域を変える新しい力になりえる地域おこし協力隊制度をうまく活用するのが良策ではないかと考えております。これからますます江別の地域課題は多くなってくる恐れがあります。そうならないためにも、地域課題解決の担い手として地域おこし協力隊を募集してはいかがでしょうか。たとえば自治会に入り、自治会活動や空き家対策のためのカフェやシェアハウスを開いたり。たとえば商店街に入り、事務局業務や空き店舗対策の企画を考えたり。たとえばNPOに入り、江別市に必要になる特定のテーマについて取り組んでもらったり。その任務テーマは導入が決まってから、広くアイデアを募って揉んでいくことになるかと思いますが、活用の仕方によって多くの可能性を秘めています。先程も申し上げたように、人口減少時代の課題解決および郊外のまちづくりの先進事例を持って、江別市のブランドをつくり、プロモーションしていくという観点からも、地域課題の解決に積極的に取り組んでいくことが求められます。江別市の未来のために、よそからの新しい発想の人材を呼び込み、持続可能なまちづくりに取り組んでいくことが必要になる。そういった観点から、地域おこし協力隊制度に対するお考えをお答えいただきたいと思います。地域おこし協力隊制度の活用については、以上です。
これをもって、わたしからの1回目の質問とさせていただきます。
三好昇市長
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堀議員の一般質問にお答え申し上げます。私からは、江別市のシティプロモートについてお答えしたいと思います。
まず、江別市におけるシティプロモートのターゲット設定についてでありますが、平成26年度よりスタートいたしましたえべつ未来づくりビジョン、第6次江別市総合計画では、四つの未来戦略の一つといたしまして、えべつの魅力発信シティプロモートを掲げ、江別市のすばらしさや魅力を多くの人に知ってもらうことで、定住人口や交流人口の増加につなげていくことを目指すこととしております。また、市では、市政運営における最大の課題を少子高齢・人口減少への対応としまして、中でも、子育て世代の転入超過という人口動態の特徴から、子育て支援、教育環境の充実を図り、選ばれるまちづくりを進めてきております。こうしたことから、シティプロモートの推進に当たりましては、子育て世代をターゲットとしているところであります。
次に、シティプロモートにおけるターゲットは江別市に対してどういったニーズを持っていると把握されているかについてでありますが、毎年実施しておりますまちづくり市民アンケートでは、無作為抽出した18歳以上の市民5,000人を対象としまして、また、転入アンケートでは、直近1年間に江別市に転入してきた人から抽出した約2,000人を対象に、年齢階層別にさまざまな項目でアンケート調査を実施しております。これらの調査から、親の世代から住んでいた人を除きますと、江別市には希望する不動産物件があったことや交通利便性などの理由で住んでいる人が多いことと同時に、子育て世代の多くの方が、子供たちが地域で安心・安全に暮らせる子育て応援のまちを望んでいることがわかり、これらは市外の子育て世代にも共通するニーズであると考えているところでございます。なお、平成23年には、大学連携により実施いたしました市外からのファミリー世帯転入増加に向けた基礎調査では、札幌市在住者を中心に子育て中の100名からアンケートをとるなどしております。この中でも、江別市に引っ越す場合に重視する事柄として、不動産物件の安さと交通利便性に続き、子育て支援サービスの充実、治安と風紀のよさを挙げておりまして、まちづくり市民アンケート、転入アンケートと同様の傾向が読み取れます。このことから、今後とも、まちづくり市民アンケート、転入アンケートを実施し、推進組織であります江別シティプロモート推進協議会の中でさまざまな資料や意見を反映させ、ニーズの把握に努めてまいりたいと考えております。
次に、ターゲット及びニーズの分析に対し最適なPRができているかについてでありますが、えべつ未来戦略では、対象と目的を明確化することで、ニーズに合わせた効果的な情報発信に取り組むこととしております。このため、札幌市内の保育施設などを対象としまして、親子で利用しやすい市内のスポットや子育て支援策、教育環境、住環境などをPRする印刷物を配布しているところであります。また、インターネットになれ親しんだ子育て世代を対象として、ソーシャルネットワーキングサービスを利用した江別の魅力発信を行うなど、新しいメディアの活用にも積極的に取り組んでいるところでございます。今後におきましても、ターゲットとニーズを意識した取り組みを進めてまいりたいと考えています。
次に、戦略的市政運営に必要となる自治体マーケティングの推進についてでございます。マーケティングは、顧客が求める商品やサービスをつくり、顧客がその商品を効果的に得られるようにする活動全般を指す概念と言われております。不採算部門や少数者への配慮など、民間企業などで行われているマーケティングの考え方がそのまま行政運営には当てはまらない面もありますが、市では、行政評価システムの導入や市民アンケート調査などにより、求められる行政サービスに応える取り組みを進めてきたところでございます。
シティプロモートの推進に当たりましては、平成26年6月、経済団体、企業、大学、市民団体などとともに江別シティプロモート推進協議会を立ち上げ、民間と一体となった活動を進めているところであり、今後とも、民間の企業活動などで行われているマーケティングなどの考え方も取り入れながら、江別にふさわしいプロモーション活動を進めてまいりたいと考えております。
次に、江別シティプロモート推進協議会におけるプロモーション技術者の参加等による専門性強化についてでございます。江別シティプロモート推進協議会は、活動の推進に当たりまして、必要に応じて外部の人材を活用できる仕組みとしているところであります。このことから、専門性が要求される場面におきましては、必要な知識や技術を有する市内の人材を活用しながら、シティプロモートの一層の推進を図っていく考えでございます。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、企画政策部長からお答え申し上げます。
山田宗親企画政策部長
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私からは、江別市のブランド戦略について及び地域おこし協力隊制度の活用について御答弁申し上げます。
初めに、江別市のブランド戦略についての御質問のうち、認知拡大とイメージ向上のための江別市におけるブランド戦略への考え方についてでありますが、少子高齢、人口減少社会において、定住人口や交流人口の増加を図るためには、教育や子育て環境など、江別市が持つ強みをしっかり伝えていくことで選ばれるまちとなることが江別市のブランドづくりにつながるものと考えております。えべつ未来戦略におけるえべつの魅力発信シティプロモートでは、江別市のよさが道内外に広く認知されるため、まちの魅力を市内外へ効果的・積極的にPRしていくこととしております。このような取り組みを進めるため、平成26年6月に、推進組織であります江別シティプロモート推進協議会を立ち上げ、市民や企業と行政とが一体となってプロモーション活動に取り組んでいるところであり、今後とも、選ばれるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
次に、江別市のブランドコンセプト及びその背景となる江別市の売りをどのように設定しているかについてでありますが、江別市は昔かられんがのまちとして全国に知られ、道内最大の人口を持つ札幌市に隣接し、交通の利便性にすぐれているという地理的特性や、野幌森林公園を初めとする豊かな自然環境があります。さらに、充実した小児・産科医療体制や子育て支援策、すぐれた教育環境、安心・安全な農産物、良好な住宅環境などに加え、フード特区に指定され、食の高付加価値化に取り組むことができるなど、多くの優位性を持ったまちであります。このような優位性を踏まえ、農畜産物などの個別ブランドの確立を初めとして、メディア活用のため、今年度から初めて民間放送局へ職員を研修派遣するなど、江別市としてのブランドづくりとPR方法について検討しているものであります。
次に、テーマカラーやキャッチコピー等を活用した江別市の良質なイメージ喚起のための施策についてでありますが、江別市では、これまでもさまざまな発行物でれんがや小麦をモチーフにしたデザインを使ってきたほか、江別市立病院においては、産科の再開に当たり、私は江別で産むというキャッチフレーズを作成し、PRに努めてきたところであります。いずれにいたしましても、テーマカラーやキャッチコピーといった具体的な手法につきましては、推進組織である江別シティプロモート推進協議会における議論などを踏まえ、江別市にふさわしい手法を検討してまいりたいと考えております。
次に、地域課題解決と地域ブランド形成及びシティプロモートとの相関関係に対する考え方についてでありますが、えべつ未来戦略は、少子高齢化、人口減少社会への対応という課題に対し、選ばれるまちとなるために、四つの戦略や個別計画などが相互に関係し合うことでより多くの効果を生み出すよう進めてきております。戦略4のえべつの魅力発信シティプロモートは、戦略1のともにつくる協働のまちづくり、戦略2のえべつの将来を創る産業活性化、戦略3次世代に向けた住みよいえべつづくり、それぞれに掲げる江別市の魅力づくりにつながるまちづくりの取り組みを重層的に進め、それらを効果的に情報発信することで、江別市の都市イメージと認知度の向上を図り、これが地域ブランドの形成につながるものと考えております。このようなことから、その実現のために、えべつ未来戦略の取り組み期間である5年間に重点的・集中的に取り組んでまいります。
次に、地域おこし協力隊制度の活用についての御質問のうち、地域おこし協力隊制度の活用に対する現段階の江別市としての判断についてでありますが、地域おこし協力隊の制度は、人口減少や高齢化等の進行が著しい地方において、地方自治体が地域外の人材を誘致し、定住・定着と地域力の維持・強化を図ることを目的に、総務省が平成21年度より制度化しております。平成26年度において当該制度を導入しているのは、特別交付税ベースで444の自治体で、全国の自治体の4分の1程度となっております。制度の効果としては、外部からの視点による地域活性化や任期満了後の定住などが挙げられ、任期満了後に定住に結びついたケースは、活動先が5割程度、近隣地域が1割程度とのことであります。当該制度の導入に当たっては、地方版総合戦略の策定過程において、地域おこし協力隊にどのような役割を担ってもらうかなど、そのあり方について検討してまいりたいと考えております。
次に、移住促進、産業活性化、シティプロモート、ブランド戦略という観点からの地域おこし協力隊制度に対する見解についてでありますが、地域おこし協力隊制度は、地域活性化や地域課題解決の一つの手段であり、移住促進を含めたシティプロモートや産業活性化等の施策推進においても有効な手段になり得るものと考えておりますことから、策定を進めている地方版総合戦略の策定過程において、取り組み内容を検討してまいりたいと考えております。
次に、協働のまちづくりを推進する中で多様な主体と連携するための担い手という観点からの地域おこし協力隊制度に対する見解についてでありますが、当市におきましては、大学や自治会、市民活動団体、企業など、多様な主体が連携・協力してまちづくり活動や地域活性化に取り組む協働のまちづくりを進めており、地域おこし協力隊が地域に入り、地域課題解決や地域活性化に取り組む場合におきましても、地域住民や団体等との協働が重要になってくるものと考えておりますことから、先ほども御答弁申し上げましたとおり、策定を進めている地方版総合戦略の策定過程において、地域との連携のあり方についても検討してまいりたいと考えております。
次に、持続可能なまちづくりのための地域課題解決の担い手という観点からの地域おこし協力隊制度に対する見解についてでありますが、当該制度は、人口減少下における持続可能なまちづくりにおきましても、地域課題解決の手段になり得るものと考えております。
いずれにいたしましても、地域おこし協力隊制度の活用につきましては、先ほども御答弁申し上げましたとおり、当該制度はシティプロモートや産業振興等の施策推進、地域における連携協力、持続可能なまちづくりなど、地域活性化や地域課題解決の手段になり得ると考えておりますことから、現在、10月末までの予定で策定を進めております地方版総合戦略の策定過程において、活用のあり方を検討してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
堀直人
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ご答弁いただきありがとうございました。ただいまお答えいただいた内容から市の取組、推進枠組み、検討目処などの整理が理解できました。したがって、わたしから現段階で再質問することはありませんので、要望を述べ、終わらせていただきたいと思います。
まず、江別市のシティプロモートについてですが、「えべつ未来戦略」においては成果指標とし「江別市の認知度の道内順位」が2位上昇で18位。「江別市の情報発信力が高いと思う市民割合」が8.6%上昇で50%となっております。ぜひこの目標を達成すればいいというのではなく、あらゆる手法を柔軟かつ合理的に取り入れながら、豊かな江別市を創造していく。また市民が自慢できる江別をつくることで、シビックプライド醸成に取り組み、江別の地力を高めうる施策を展開していただけたらと思います。お答えいただいたように、ニーズの把握に努められていること理解しました。引き続きよりリサーチの量的質的な向上を目指し、さらにきめ細やかなニーズの把握を深めていかれるものかと思います。江別市では江別の観光や移住の情報を知りたいと思った人に対し、対面で専門に案内できる開かれた施設がないように感じます。本来であれば、コンシェルジュ機能を持った「まちの案内所」のようなものが必要になるのかもしれません。他にもいろいろな手法を検討していく必要があります。開設された「江別シティプロモート推進協議会」の方々をはじめとした市民と一緒に、現在展開されている手法が正しいのか、さらに成果を上げる手法がないのか、細かく成果の進捗を確認しながら、経営戦略、シティプロモート、ブランド構築に市場調査を活かし、マーケティングなどの民間ノウハウや他地域の事例を参考にしつつ、江別市行政ならではのマーケティング、シティプロモートの確立をお願いしたいと思います。
次に、江別市のブランド戦略についてですが、お答えいただいたように、江別にはレンガをはじめとした歴史、大都市至近という利便性、それでいながら豊かな自然環境、充実の公共サービス、フード特区に指定されますます期待される食産業など、多くの資源があります。その資源を有効に活用し、より地域価値の最大化に努めていただきたいです。今年の冬にプレオープンが予定されている「旧ヒダ工場」や、「食の臨床試験モデル」に選択され研究が進む機能性食品など、江別市のブランドをつくりうる具体的な取組も多くあるところと思いますので、ぜひ江別の総力を持って誇りを持てる江別づくりをお願いしたいと思います。また、市長が市政執行方針でお話された「健康都市えべつ」というお考えは、地域経営のみならず、このブランド構築にも有効な展望のように思いますので、その点でも江別の良質なイメージづくりを戦略的に行っていただけたらと思います。まずは5年間重点的・集中的に取り組まれる「えべつ未来戦略」の実施動向を見ながら、わたしは20年後、30年後という次の世代の未来を考えながら、引き続き調査研究を進め、みなさまと一緒に希望を持てる江別市をつくっていきたいと思っております。
最後に、地域おこし協力隊制度の活用についてですが、「10月末までの予定で策定を進めている地方版総合戦略の策定過程において、取り組み内容を検討する」という方針を理解しました。わたしもこのまちで暮らす人間として、地域の課題解決に取り組もうと懸命になるほどに、あらゆる困難がのしかかってくるものだと実感しております。そうしたなか、一人でも多くの担い手がいれば続けていくことができたこと、もっと成果が出ることあったと思いますし、今後も多くあると思います。そういう市民の活動を長く効果的に継続していける環境をつくることこそ、行政ができる協働のまちづくりでしょうし、持続可能なまちづくりだとわたしは考えます。ぜひとも江別の総力を高めるためにも、地域課題解決に取り組む市民が抱えている課題を知り、行政だからこそできる有効な手段については導入をし、まちの活力を高める手立てをとることをお願いしたい。このことをもって、わたしからの要望は以上です。ありがとうございました。
※この全文は、音声等をもとに起こしたものです。